「うちの子、また嘘ついてるし…」と、胸を痛めていませんか?
実は、お子さんの嘘の背景には、「お母さんをがっかりさせたくない」という、お子さんのいじらしい本音が隠されています。この記事では、子どもが思わず嘘をついてしまう3つの心理や、親子の信頼を、もう一度しっかり取り戻すためのアプローチについてご紹介します。
「信じていたのに…」と胸を痛めているお母さんへ
「宿題? もう終わってるし」と言っていたのに、あとから白紙のプリントが出てきたり、テストの点数を実際より高く報告してきたり…。
そんなお子さんを見ていると、「なんで?そんな平気で嘘をつけるの?」「私の育て方が悪かった?」と、ショックを受けたり、裏切られた気持ちになってしまうお母さんも多いのではないでしょうか。
「このままずっとウソばっかりついて、悪い大人になってしまったらどうしよう…」と、お子さんの先の先まで心配になり、不安になってしまうのも無理ありません。
ですが、お子さんがウソをついてしまうのは、決して悪気があってのことではありません。もちろんお母さんを騙してやろうとか、嫌っているというわけではないのです。
むしろ、「大好きなお母さんに嫌われたくない」「悲しむ顔を見たくない。がっかりさせたくない」といった、お子さんなりの健気な気持ちの裏返しであることがほとんどなんです。

本音を隠すのはなぜ?子どもの胸の奥に潜む「3つの心理」
「怒られてしまうかもしれない」という不安や恐れから、ついとっさに取り繕った言葉を口にしてしまう子どもたち。その胸の奥では、実はさまざまな葛藤や複雑な本音が渦巻いています。
①「これ以上、自分を否定されたくない」という心のバリア
「叱られるときのあのピリついた空気が、しんどくて…」
「これ以上『ダメな子』と思われて、否定されたくない」
人間には、心が傷つきそうな場面から自分を守ろうとする「防衛本能」があります。怒られる恐怖から一刻も早く逃れたい一心で、頭でじっくり考える間もなく、とっさに取り繕った言葉(嘘)が口からつい出てしまうのです。
②「お母さんにとっての良い子」でありたいプライド
「大好きなお母さんには、『よく頑張っている子』『できる子』と見られたい!」
「本当はできる子という姿を見せて、お母さんを安心させたい!」
そんな純粋なプライドが邪魔をして、等身大の「できない自分」を隠したくなってしまうことがあります。お母さんの期待に応えたい、がっかりさせたくないという気持ちが大きければ大きいほど、プレッシャーが大きくなり、自分を大きく見せようとして思わず見栄を張ってしまうのです。
③ 八方ふさがりになり、その場を切り抜けるためのSOS
「課題のレベルが高すぎて、どこから手をつければいいのかさっぱり…」
「『わからない』と言ったら怒られる気がするし、言うのが恥ずかしい」
自分一人の力ではどうすることもできず、完全に手が止まってしまい、誰にどう助けを求めていいのか分からず立ち尽くしてしまう子どもは少なくありません。分からないまま追い詰められた結果、「もう終わった!」「ちゃんと分かってる!」と、とっさに嘘をついてしまい、目の前の苦しいプレッシャーから逃れようとしてしまうのです。

親子の絆をもう一度結ぶ!子どもの嘘が自然と減っていく「3つのアプローチ」
子どもがついてしまった嘘に対して、大人がつい厳しく追及してしまうと、「怒られたくない」「隠さないと」とさらに大きな嘘を上塗りしてしまい、抜け出せない悪循環になってしまうことがあります。
そうならないためには、「嘘をつく必要なんかない」という心からの安心感を与えてあげることです。まずは、日頃のお子さんへの接し方や言葉の掛け方を少しだけ見直してみませんか?
①「嘘ついてるやろ?」と問い詰めたくなる気持ちをグッとこらえ、逃げ道を作る
目の前の子どもが明らかに嘘をついているとわかり、ついその場で動かぬ証拠を突きつけ、白黒ハッキリさせたくなる気持ちはよくわかります。しかし、そこはぐっとこらえて、まずは深く息を吸い込んでみましょう。
「わかった。もし、何か上手くいかなくて困っていることがあるなら、いつでもお母さんに話してね」と、あえて穏やかに逃げ道を用意してあげましょう。
反射的に嘘をついてしまう子であっても、お母さんが怒鳴らず、むしろ包み込むような態度で接してあげることで、興奮した脳が一旦収まり、自分の言動を客観的に見つめ直すゆとりを取り戻すことができます。

② バツの悪い「本当のこと」を白状してくれたことを受け止めてあげる
「実は、まだ宿題できてないねん…」
「本当は、ここの単元がさっぱりわからへん」
もし、そんな風にお子さんが勇気を振り絞って本音を打ち明けてくれたとき「は⁈ なんで今まで隠してたの?」と、つい嘘を蒸し返して叱りつけてしまうのは禁物です。ここで怒ってしまうと、子どもはまた、嘘をついて逃れようとしてしまいます。
そんな場面に出くわしたときこそ、「そうだったんやね。正直に教えてくれてありがとう。本当のことを話してくれてお母さん嬉しい」と、しっかり受け止め、褒めてあげてください。
「言葉」で言うのが難しい時は、文字で気持ちをやり取りしてみる
どれほど頭で「冷静になろう」と決めていても、いざ子どもの顔を見ると、お互い感情がぶつかり合ってしまい、なかなか素直になれないのが親子の難しいところですよね。お子さん自身も「本当の事を言わないと」と分かっていながら、お母さんを前にすると、気まずさから反射的にまた嘘をついてしまうことがあります。
もしそうなったときは、あえて「手書きのメモやノート」を通したコミュニケーションに切り替えてみるのもいいかもしれません。
例えば、「今日は少し感情的になったね。もし勉強などで困っていることがあったら、このノートに書いて机に置いておいてね」と、小さな交換日記のような形で逃げ道を用意してあげるのです。
直接顔を合わせない「文字のやり取り」にすることにより、お母さん自身も感情を抑えて冷静になりやすくなります。お子さんも、「本当は数学の宿題できてないねん。ワークの○ページから先がサッパリ分からへん。」といった弱音や本音を、吐き出しやすくなるというメリットがあります。

まとめ:我が子の嘘は「もっと私を見て!」という心のサイン
「なんでうちの子、嘘つきになってしまったんやろう」と、必要以上に悲観したり思い詰める必要はありません。子どもがついてしまう嘘の裏側には、「お母さんに好かれたい」「自分を認めてほしいから」という切実な願いがあり、傷つきやすい自分を守りながら懸命に大きくなろうとしている葛藤が隠されています。
ここで、今回お話しした大切なポイントを振り返ってみましょう。
- 嘘を頭ごなしに叱りつけるのではなく、その奥にある「お母さんに嫌われたくない」という不安に寄り添ってあげる
- 白黒はっきりさせて追い詰めるより、どんなことでも安心して正直に打ち明けられる雰囲気を家庭で築く
「テストの点数が良くても悪くても、あなたの大切さは変わらないし嫌いにならないから」という温かい安心感をあらかじめ言葉にして伝えておきましょう
お母さんが「テストの点数や結果の良し悪し」ではなく、目の前の子どもの「ありのままの気持ち」を受け止めてくれる存在だと実感できたとき、子どもはもう身を守るための嘘をつく必要がなくなります。
「また何か隠してるんちゃうの?」とつい疑いたくなる気持ちをぐっとこらえて、まずは「そうなんやね」と、お子さんの言葉にじっくり耳を傾けることからゆっくり始めてみてくださいね。
ご家庭の声
うちの息子は、部活と遊びに夢中で、家で机に向かう姿をほとんど見かけない状態でした。私が『勉強してる?』と声をかけるたびに、彼は『学校で授業聞いてるし、家でもしてるから大丈夫!』とムキになって嘘をついていたんです。本当は家で全然やっていないことは知っていました。 ある晩、息子がリビングの隅でめずらしく教科書を開いたまま、ため息をついている姿を見つけたんです。思い切って私は何も言わず、彼の横にそっと温かいお茶を置いて『いつも部活も頑張ってるね。たまには息抜きもしてね』とだけ声をかけました。
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中学3年生 Cくんのお母さんより
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