学習障害を持つ子どもとスマホ・ゲームの付き合い方

2026年5月23日更新

「一度ゲームを始めたら、何度言っても止まらない」
「スマホのことを注意するたびに、親子ゲンカになってしまう…」

私たち家庭教師のえーるには、こうしたお悩みが毎日たくさん寄せられています。

学習障害の特性を持つお子さんがスマホやゲームから離れられなくなるのは、決して本人の「わがまま」や「だらしなさ」だけが原因ではないかもしれません。

学校での読み書きのストレスや、勉強でなかなか成果が出せない苦しさから逃れるために、お子さんは無意識にスマホやゲームの世界に没頭している可能性があります。

ゲームに熱中してしまう子供

この記事では、お子さんがなぜそこまで夢中になってしまうのか、その奥にある理由を解析し、親子でイライラせずに過ごせるためのヒントをお伝えします。

なぜスマホやゲームに夢中になるのか? お子さんの心が求める「3つの理由」

学習障害の特性をもつお子さんが、スマホやゲームにこれほどまでに惹きつけられるのには、深い理由があります。その背景にある「お子さんの本音」を知ることが、親子で解決の糸口を見つける第一歩になります。

① 頑張った分だけ「できた!」がすぐに返ってくるから

学習障害の特性をもつお子さんは、読み書きや計算などで「努力しているのに結果が出ない」という、もどかしい経験をしています。一方で、ゲームの世界はその分結果がわかりやすいです。敵を倒せばレベルが上がり、ステージをクリアすれば派手な演出で褒めてくれます。自分の頑張りがすぐに「目に見える成果」として返ってくるため、失いかけていた「達成感」を、ゲームが満たしてくれているのです。

② 誰にも急かされず、「自分のリズム」でいられるから

学校生活では、常に周りのスピードに合わせる必要があり、緊張の糸を張っているお子さんも多いです。 しかし、ゲームの中では誰の目も気にする必要がありません。失敗しても、リセットすれば何度でもやり直すこともできます。「周りを気にせず、自分のペースで試行錯誤できる世界」は、お子さんにとって、現実世界の緊張から解放される唯一のストレス解消法なのかもしれません。

③ 直感的にわかる「脳に優しい情報のカタチ」だから

文字や数字が並ぶ教科書は、学習障害の特性を持つお子さんにとって、読み解くだけで脳がパンクしてしまうほどの負担になることがあります。 その点、スマホやアプリは色・音・動きを使って「何をすべきか」を直感的に伝えてくれます。脳が余計な疲れを感じることなく、スムーズに情報を処理できる心地よさがあるからこそ、そこを「自分に合った、わかりやすい場所」だと感じて離れられなくなるのです。

親子で衝突を減らすための「3つのルール作り」

スマホやゲームとの付き合い方で一番大切なのは、親が厳しく「管理」することではありません。お子さん自身が「自分で自分をコントロールする力」を少しずつ身につけていくことです。 そのために、まずは親子でしっかり話し合い、お互いが納得できる「守りやすいルール」を作りましょう。

① 「いつ・どこで・どのくらい」を明確にする

もしルールが曖昧だと、「まだいいと思った」「知らなかった」と後でケンカの原因になってしまいます。誰が見てもわかるように、具体的な数字や場所を決めておきましょう。

  • いつ?
    「宿題を全部終わらせてから」「夜は21時まで」
  • どこで?
    「目が行き届くリビングで(自室に持ち込まない)」
  • どのくらい?
    「平日は1日1時間」「土日は合計2時間まで」

② 気持ちを切り替える「心の準備」を大切にする

没頭している最中にいきなり「終わり!」と言われると、お子さんの脳はパニックを起こし、つい反発してしまうことがあります。スムーズに次の行動(勉強など)へ移るための「クッション」を用意してあげるといかもしれません。

分前の予告

タイマーを鳴らすなど、「あと5分で終わり」という心の準備をさせてあげます。

終わりの儀式

「使い終わったら親に預ける」「決まった充電器に戻す」といった動作を習慣にして、気持ちに区切りをつけます。

お楽しみのバトン

ゲームが終わるタイミングで、お母さんがおやつを用意したり、好きな飲み物を出したりして、勉強に向かうエネルギーを優しく充電してあげてください。

③ 「もし守れなかったら?」をセットで約束しておく

ペナルティは、お子さんを苦しめるための「罰」ではありません。あくまで「次は約束を守るための練習」です。

ルールの例

もし時間を過ぎてしまったら「次の日はお休み」「1週間は30分に短縮する」など。

大切なポイント

親が怒って取り上げるのではなく、「約束は約束」と、お子さん自身に結果を引き受けさせることで、自己責任の意識を育てます。逆に、約束をしっかり守れている時は、褒めたり、話し合いで少しルールを緩めてあげたりして、「守ると良いことがある!」と実感させてあげてくださいね。

ルールを成功させるための「5つの具体的な関わり方」

日々の関わり方を少し工夫するだけで、お子さんが自分から時間を守れる「管理能力」を、楽しみながら育てていくことができます。

① 「どれだけやったか」より「終わらせたこと」を褒める

「30分勉強したからOK」よりも、「宿題を最後までやり切ったらOK」とするのがおすすめです。最初は中身の完璧さよりも、「自分で決めた課題を最後までやり遂げた」という責任感を認めてあげてくださいね。

② 宿題を「ゲームの休憩時間」として捉え直す

「勉強が終わるまでずっと我慢」という状態が長すぎると、お子さんのモチベーションは途中で切れてしまいます。 そこで、勉強をあえて「ゲームの合間の休憩(リフレッシュ)」や「次のステージへ進む前の準備」として位置づけてみるのも一つの方法です。「これをしたら、すぐにゲームに戻れる」という安心感があるからこそ、短時間でもグッと深い集中力を引き出し、結果として学習意欲を高めることができるのです。

③ 「時計の針」よりも「生活の区切り」で伝える

時間の感覚を掴むのが苦手なお子さんには、「あと15分」よりも、「夕飯の準備ができるまで」あるいは「お父さんが帰ってくるまで」といった生活のルーティンに合わせるほうが、残り時間をイメージしやすくなる場合があります。

④ 誘惑に負けない「場所のルール」を作る

自室は誘惑が多く「だらだら使い」になりがちです。「スマホやゲームはリビングで」と決めることで、無理なく使いすぎを防ぎましょう。親子の会話が生まれる場所で楽しむことが、生活リズムを守る一番のバリアになるかもしれません。

⑤ ゲーム以上に「心が動くもの」を一緒に見つける

絵を描くこと、生き物の観察、楽器など、お子さんが興味を示すものなら何でもOKです。お母さんも一緒に「これ、いいやん!」と楽しめる時間が増えれば、お子さんの気持ちは満たされ、自然とスマホへの執着も減っていくでしょう。

ご家庭の声

息子はもともと勉強に対してやる気がなく、中学生になってからはますますゲームやYouTubeにのめり込んでいきました。自分の部屋にこもると何時間も出てこず、成績は下がる一方…。『このままだと高校行かれへん』と、私は相当焦っていました。そんな時、思い切ってえーるさんに家庭教師をお願いすることになりました。指導が始まって数回経ったころ、先生から意外な提案がありました。『お母さん、次からリビングの隣にある、あの何もない部屋で指導さしてもらってもいいですか?』と。先生いわく、息子の部屋にはゲームや漫画が散乱していて、教えている時に、子どもの目線がそっちにいきがちとのことでした。息子があまりにも気が散るため、何もない部屋に小さいテーブル置いて、指導部屋にすることに。それ以降、息子は『あの部屋の方が集中できる』と、以前よりもやる気が出てきたようです。部屋の使い方一つで、子どものやる気を引き出してくれた先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

中学2年生 Yくんのお母さんより

私たちえーるは、学習障害専門の家庭教師ではありませんが、20年以上、これまで多くのお子さんとの出会いの中で得た知識や経験をもとに、心をこめてサポートしています。

ちょっとしたお悩みや心配がある方はまずは気軽にご相談くださいね。

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えーる坪井

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