うちの子、学習障害だと思っていたけど、実は他の発達障害が原因だった？

なぜ、学習障害と他の発達障害は混同されやすいの？

「うちの子、学習障害かも？」と悩んでいる親御さんは少なくありません。しかし、そのつまずきは、もしかするとADHDやASDなど、別の発達障害が原因かもしれません。

発達障害は、複数の特性を併せ持つことが多く、その症状が似ているため、見分けがつきにくいのです。たとえば、ADHDの「不注意」が原因で文章の読み飛ばしが多くなり、それが学習障害（LD）の「読解困難」のように見えるケースはよくあります。

大切なのは、表面的な「苦手」だけを見るのではなく、その背景にある根本的な原因を理解することです。

見分け方がわかる！発達障害と学習障害のチェックポイント

ここでは、学習のつまずきが、どの発達特性から来ているのかを見分けるためのヒントを解説します。

学習障害（LD）の主な特徴

知的な発達に遅れはないのに、特定の学習分野だけが極端に苦手な場合、LDの可能性があります。

「読む」
文字を一つずつしか読めない、行を飛ばしてしまう、音読がたどたどしい。

「書く」
文字の大きさがバラバラになる、鏡文字を書く、何度練習しても漢字を覚えられない。

「計算する」
簡単な足し算でも指を使う、繰り上がりや繰り下がりで混乱する

ADHD（注意欠陥多動性障害）の主な特徴

「集中力」や「行動」に困難が見られる場合、ADHDの可能性があります。

不注意
授業中にぼんやりしていることが多い、先生の話を聞いていない、忘れ物やなくし物が多い。

多動・衝動性
じっとしていられない、授業中に席を立ってしまう、質問が終わる前に話し始めてしまう。

ASD（自閉スペクトラム症）の主な特徴

「コミュニケーション」や「強いこだわり」が見られる場合、ASDの可能性があります。

コミュニケーションの困難
質問の意図を理解できない、言葉の裏にある意味を読み取るのが苦手。

強いこだわり
興味のあることにはとことん集中する一方、興味のない学習には強い抵抗を示す。

親がまずできる「心のサポート」と専門家を頼る大切さ

お子さんの特性に気づいたとき、まず親ができるのは「知ること」です。診断名にこだわるのではなく、お子さんの行動の理由を理解することが、サポートの第一歩になります。

１．努力を認め、結果で責めない

「どうして集中できないの？」と責めるのではなく、「今日は10分間、集中できたね！」と、少しの進歩でも言葉に出して褒めてあげましょう。

２．子どもの声をよく聞く

「書くことが辛い」「読むの嫌い」など、まず、お子さんが感じている困難な気持ちに耳を傾けてあげてください。

３．一人で抱え込まず、専門家を頼ってみる

親御さんだけで悩みを抱え込まず、専門機関や家庭教師のサポートを検討することも有効な手段です。専門的な知識を持つ機関では的確なアドバイスをもらえ、安心につながるでしょう。学習面では家庭教師がおすすめです。家庭教師にお子さんの特性を理解してもらい、その子に合った学習法を提案してくれます。お子さんだけでなく親御さんの精神的な支えにもなるでしょう。