PQRST法【暗記苦手を解消し学習効果を最大化する】

「教科書を読むだけ」では、なぜ理解できないのか？

そんな経験はありませんか？なぜかというとそれは、「受動的な読み方」をしているからです。ただ文字を追うだけの学習では、脳は単なる「情報の受け手」に過ぎません。PQRST法は、この「読む」という行為を「考える」という行為に変えるための、画期的な学習法です

PQRST法とは？５つのステップで学習を「攻略」する

PQRST法は、アメリカの教育心理学者によって提唱された、５つのステップからなる学習法です。それぞれの頭文字が、学習のプロセスを表しています。

P：Preview（予習）
Q：Question（質問）
R：Read（読み込み）
S：Summary（要約）
T：Test（確認）

この方法は、単に読むだけでなく、「問いを立て、答えを探し、自分の言葉でまとめ、確認する」という一連の流れを体系化しています。このプロセスを繰り返すことで、読解力、記憶力、そして表現力を同時に高めることができます。

【実践】PQRST法を使いこなす５つのステップ

PQRST法は、普段の予習や復習に簡単に取り入れることができます。

ステップ１｜Preview（予習）：全体像をざっくり掴む

本格的に読み始める前に、まずは教科書の目次や章のタイトル、図や写真にざっと目を通します。これにより、これから学ぶ内容の全体像を把握し、「どんなことが書かれているのかな？」という心の準備をしておきます。

ステップ２｜Question（質問）：疑問を持つことで「自分ごと」にする

全体像を把握したら、今度は「なぜ？」「どうして？」と、自分自身に質問を投げかけます。例えば、「なぜこの時代に戦争が起きたんだろう？」や「この公式は何のためにあるんだろう？」など、何でもいいので疑問を持つことで、学習内容が「他人ごと」から「自分ごと」に変わっていきます。

ステップ３｜Read（読み込み）：問いの答えを探しながら読む

質問を心に留めながら、教科書を丁寧に読み込みます。このとき、ただ文字を追うのではなく、ステップ２で立てた問いの答えを探すという目的意識を持って読み進めることが大切です。重要なポイントや、質問の答えが見つかったら、マーカーで印をつけておきましょう。

ステップ４｜Summary（要約）：自分の言葉でまとめ、記憶を定着させる

読み終えたら、教科書を閉じて、今読んだ内容を「自分の言葉で」要約してみます。ノートに書き出したり、声に出して話したりしてみましょう。これは、覚えている内容とそうでない内容を明確にする重要な作業です。

ステップ５｜Test（確認）：知識の定着度をテストする

最後に、要約した内容が本当に頭に入っているかをテストします。問題集を解いたり、自分で簡単なテスト問題を作ったりしてみましょう。テストで間違えた部分は、再度PQRST法で復習することで、知識をさらに強固なものにできます。

PQRST法を成功させる３つのコツ

短時間で区切る

一気に全てをやろうとせず、15分や20分など、短時間で一つの章に取り組むのがおすすめです。

「疑問」と「要約」を習慣に

質問を自分で作る・自分の言葉で説明する。この2つを習慣にすると、テストでの記述力も自然と伸びていきます。

親子で楽しく取り組む

「この段落、どんな疑問が出てくるかな？」「じゃあ最後にクイズ出すからね♪」といったように、声かけをしながら一緒に進めると、学習の時間が親子のコミュニケーションの時間にもなるのでおススメです。

まとめ

PQRST法は、単に知識を覚えるためのものではありません。教科書の内容を受け身で読むのではなく、自ら問いを立て、深く考える力を育む学習法です。この学習法を身につけることで、教科書や参考書の内容が頭にスラスラと入るようになり、きっと勉強への自信や楽しさを取り戻せるはずです。

家庭教師のえーるでは、PQRST法以外にも様々な勉強法を紹介していますが、特定のやり方だけを押しつけるわけではありません。お子さん一人ひとりの学習状況や性格に合わせて、最適な学習法を一緒に見つけるお手伝いをしています。

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