【2026年度】奈良県公立高校入試選抜の概要

目次

奈良県公立高校入試の基本:主な選抜制度

奈良県の公立高校入試は、主に以下の選抜制度で実施されます。それぞれの制度には独自の目的と特徴があり、志望する高校・学科や自身の強みに合わせて選択することが重要です。

一次選抜
旧「一般選抜」と旧「特色選抜」を一本化したもので、最も多くの生徒が受験する主要な選抜です。学力検査と中学校の調査書(内申点)に加え、各高校が独自に定める検査(面接、実技、小論文など)を総合的に評価して合否を判定します。

二次選抜
一次選抜で合格者数が募集人員に満たなかった学科で実施される再募集です。

特別選抜
特定の事情を持つ生徒や、特定の学習分野に特化した生徒を対象とした選抜です。具体的には、全国募集、インクルーシブ教育推進、外国人・帰国生徒、成人を対象とした選抜があります。

この記事では、2026年度(令和8年度)入試における各選抜制度の現在の情報と、今後の確認ポイントを、受験生と保護者の皆様に分かりやすく解説します。

【重要】2026年度(令和8年度)入試に関する現在の情報と注意点

2026年春に高校受験を迎える皆さんにとって、入試制度の最新情報は非常に重要です。奈良県教育委員会から2026年度(令和8年度)公立高校入試の最終的な「入学者選抜要項」はまだ公表されていません。 (2025年7月時点)

例年、夏から秋にかけて詳細な情報が発表されることが多いです。したがって、この記事に記載されている日程や検査方法、調査書(内申点)の扱いは、過去の傾向や現時点での情報、そして2025年度入試で導入された新ルールに基づくものであり、今後、正式な発表で変更される可能性があります。

必ず、奈良県教育委員会の公式ウェブサイトで発表される最新の「令和8年度奈良県公立高等学校入学者選抜要項」をご確認ください。

【新ルール】2025年2月からの主な変更点(2026年度入試にも適用)

奈良県教育委員会は、入試制度の公平性を高め、生徒の学習意欲を向上させることを目的に、2025年2月に実施された入試(2025年度入試、現在の高校1年生の入試)から以下の新ルールを適用しています。これらの変更は、2026年春に高校受験をする生徒(令和8年度入試)にも引き続き適用されます。

「特色選抜」と「一般選抜」の「一次選抜」への一本化

  • これまでの「特色選抜」は廃止され、その募集枠と評価要素が「一次選抜」に統合されました。これにより、多様な能力をアピールする機会は「一次選抜」の中で確保されます。
  • 旧「特色選抜」と「一般選抜」で別々に実施されていた日程が、原則として一本化され、主要な受験機会は3月上旬の「一次選抜」の1回となります。

調査書(内申書)の評価方法の見直し

最も大きな変更点の一つは、調査書(内申書)の評価における「主体的に学習に取り組む態度」が導入されたことです。

変更前
主に各教科の5段階評定の合計点(中学3年間の合計135点)と、特別活動の記録が点数化されていました。

変更後
これまでの評定に加え、各教科の「主体的に学習に取り組む態度」を中学校が観点別学習状況の評価として記述する欄が設けられ、それが点数化されて内申点に加算されるようになりました。

これにより、単にテストの点数だけでなく、授業への積極性、探求的な学習への取り組み、課題解決能力などがより重視されます。

具体的には、9教科の評定合計点(135点)に加えて、この「主体的に学習に取り組む態度」の評価が各教科10点満点で合計90点、さらに特別活動の記録が最大で25点となり、総合的な調査書点(内申点)は250点満点となりました。
(参考)変更前は調査書点(内申点)が最大150点でした。

この変更により、生徒は日々の授業への参加や、自ら課題を見つけて解決しようとする姿勢がより重要となります。

選抜方法における調査書と学力検査の比重の見直し

調査書の評価方法変更に伴い、合否判定における調査書と学力検査の比重にも変更がありました。

学力検査点(5教科)
従来通り250点満点(各教科50点)

調査書点
新ルールにより最大250点満点。

これにより、学力検査と調査書がほぼ同等の比重(1:1)で評価されることが基本となります。ただし、各高校や学科によっては、これまで通り傾斜配点(学力検査を重視、または調査書を重視するなど)が設定される場合もあります。

一次選抜の概要とポイント

一次選抜は、旧「一般選抜」と旧「特色選抜」を一本化したもので、学力検査と調査書(内申点)、そして学力検査以外の検査(学校独自検査)を総合評価して合否が決まる、奈良県公立高校入試の主要な選抜方法です。

対象と志願方法(複数校出願ルール)

対象
令和8年3月に中学校等を卒業見込みの者、または中学校を卒業した者など。

志願

  • 原則として1人1校、1学科(コース)に限りますが、第1希望校と第2希望校の2校まで出願できます。
  • 第1希望校は「第一出願期間」に出願します。
  • 第2希望校は「第二出願期間」に出願できます。ただし、第2希望校として出願できるのは、第一出願期間の出願者数が募集人員に満たなかった学科(コース)のみです。
  • 第二出願期間に出願できるのは、第一出願期間に出願した者に限ります。第二出願期間のみに出願することはできません。
  • 高校によっては、第2志望、第3志望の取扱いを定めている場合があります。その場合、第1希望校、第2希望校それぞれで、第1志望、第2志望、第3志望の学科(コース)を志願することができます。

試験日・合格発表日(例年の傾向)

例年の傾向では、3月上旬に学力検査が実施されます。正式な日程は今後の発表でご確認ください。

項目日程
(例年の傾向)
学力検査令和8年3月上旬
(例年3月上旬)
合格発表令和8年3月中旬
(例年3月中旬)

学力検査について

全日制課程 普通科(普通科の特色あるコースを除く)
国語、社会、数学、理科、英語(聞き取り検査を含む)の5教科の学力検査(各50分)が実施されます。

全日制課程の普通科以外の学科及び普通科の特色あるコース
国語、数学、英語(聞き取り検査を含む)の3教科の学力検査(各50分)が実施されます。

定時制課程
国語、数学、英語(聞き取り検査を含む)の3教科の学力検査が実施されます。

各教科50点(全日制普通科は合計250点満点、その他は150点満点)が基本です。高校によっては、学力検査の合計点や各教科の得点に加重配点を行う場合があります。

学校独自検査(学力検査以外の検査)について

全日制課程の普通科以外の学科及び普通科の特色あるコースにおいては、学力検査に加え、学校独自検査が実施されます。定時制課程においては、学力検査及び面接が実施されます。

検査の種類
高校が選択して実施します。

独自問題、作文
高校が独自に検査を作成して実施します。 

面接
個人面接や集団面接を実施します。志願者が記入して提出する「自己アピール文」を資料としますが、自己アピール文そのものは点数化しません。志望動機や将来の希望、高校生活への意欲や抱負等について問います。

実技検査
農業(山辺高校自立支援農業科のみ)、体育及び芸術に関する学科(コース)で実施します。

これらの検査の合計点が「検査成績」として評価されます。

調査書(内申点)の計算方法

調査書(内申点)は、中学校3年間の評定合計と、「主体的に学習に取り組む態度」、特別活動の記録を点数化して算出され、250点満点が基本となります。

対象教科
9教科(英語・数学・国語・理科・社会・音楽・美術・保健体育・技術・家庭)

計算方法(新ルール適用後)

  • 各教科の評定合計
    各教科5段階評価 × 9教科 × 3年間 = 135点満点
  • 主体的に学習に取り組む態度
    各教科10点満点 × 9教科 = 90点満点
  • 特別活動の記録
    最大25点満点
  • 総合調査書点合計
    135点 + 90点 + 25点 = 250点満点
  • 普通科以外の学科及び普通科の特色あるコースにおいては、調査書点に、高校が重視する教科に加重配点を行う場合があります。
  • 体育に関する学科では、「特技に関する記録〔体育〕」(体育に関する活動成果についての客観的な資料)を点数化し、調査書点に加算します。

合否の判定方法

検査成績(学力検査点+学校独自検査の点数)、調査書成績、及び調査書のその他の記載事項を資料として、総合的に合否を判定します。

一次選抜で合格した場合、必ず入学するものとします。

調査書の特別な取扱い
募集人員の一部について、調査書のその他の記載事項の中で重視する事項を定めて点数化し、調査書成績に加算する高校があります。

二次選抜の概要とポイント

二次選抜は、一次選抜で合格者数が募集人員に満たなかった学科(コース)において、3月下旬に実施される再募集です。

対象と志願方法

対象
既に公立高校に合格している者は出願できません。

志願
一次選抜を受検した者、またはインクルーシブ教育推進特別選抜を受検した者が出願できます。

試験日・合格発表日(例年の傾向)

例年の傾向では、3月下旬に実施されます。正式な日程は今後の発表でご確認ください。

項目日程(例年の傾向)
検査日令和8年3月下旬
(例年3月下旬)
合格発表令和8年3月下旬
(例年3月下旬)

検査方法

各高校は、面接を実施します。面接の得点を検査成績とします。 選抜資料として、一次選抜の学力検査の得点、またはインクルーシブ教育推進特別選抜の口頭試問(国語、数学、英語)の得点が用いられます。

合否の判定方法

検査成績(面接点)、調査書成績、一次選抜の学力検査の得点、及び調査書のその他の記載事項を資料として、総合的に合否を判定します。

二次選抜で合格した場合、必ず入学するものとします。

特別選抜の概要とポイント

特別選抜は、特定の事情を持つ生徒や、特定の学習分野に特化した生徒を対象とした選抜です。2026年度入学者選抜では、スポーツ・文化活動特別選抜、中高連携教育推進特別選抜は実施されません。

実施される特別選抜

  • 全国募集特別選抜(2月上旬実施)
  • インクルーシブ教育推進特別選抜(3月上旬実施)
  • 外国人・帰国生徒特別選抜(3月上旬実施)
  • 成人特別選抜(3月上旬実施)
    (令和8年度入試の日程は巻末を参照とのことですが、ここでは例年の傾向として記載しています。)

全国募集特別選抜

対象
奈良県教育委員会が指定する高校の学科(コース)において、指定運動部活動及び指定学科(コース)を希望する県外居住者。

検査内容
口頭試問及び面接。高校によっては作文を実施する場合もあります。

インクルーシブ教育推進特別選抜

対象
志願者の在籍中学校長及び当該市町村教育委員会と県教育委員会が十分な相談のうえで決定した全日制課程の高校において、以下の状況全てが当てはまる者。

  • 肢体不自由があり、自筆記入による回答が困難、かつ支援機器等によっても表現活動が著しく困難な者。
  • 医療的ケア児等で、自力通学が著しく困難な者。

検査内容
口頭試問(国語、数学、英語)及び面接(一次選抜において第1希望校で学校独自検査(面接)を実施する場合のみ)。

外国人・帰国生徒特別選抜

対象
奈良県教育委員会が指定する高校の学科(コース)において、外国人や外国での在住期間のある者等。

検査内容
奈良県教育委員会が作成する数学、英語の2教科(各50点満点)の学力検査及び作文、並びに面接。

成人特別選抜

対象
奈良県立高等学校定時制課程において、中学校若しくはこれに準じる学校を卒業又は中等教育学校前期課程を修了した者で、成年。

検査内容
奈良県教育委員会が作成する作文。

検査の種類と検査成績、合否の判定

検査成績
各特別選抜で実施される検査(口頭試問、面接、作文、学力検査など)の合計点を検査成績とします。

調査書成績
調査書点を調査書成績とします。(調査書点への加重配点はありません。)成人特別選抜は調査書を用いません。

合否の判定
検査成績、調査書成績、及び調査書のその他の記載事項を資料として、総合的に合否を判定します。

特別選抜で合格した場合、必ず入学するものとします。

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